いざ!スパイスの楽園・南インドの農家民宿へ
ヴァニラの海におぼれたい。夢をかなえようと昨年末、南インドをめざしました。
きっかけは昨夏、デリーの紅茶屋さんです。スパイス棚にヴァニラビーンズ瓶がありました。マダガスカル産かタヒチ産かな。店主にたずねました。
「ノー、南インド産だよ。貴重だからなかなか出回っていないんだよ」。
へぇ、そうなんだ。鼻に黒い棒を近づけます。わぁ、やさしい香り。とりこになりました。
帰国してすぐ、4カ月後のデリー行き航空券を予約しました。とはいえヴァニラ農園探しは手つかずのままモタモタし、あっというまに年末に。甘いもの好きとはいえ、人生の詰めまで甘いのでした。
出発1週間前になってようやく、検索サイトで探し始めました。気分はすでにヴァスコ・ダ・ガマです。めざすは15世紀、彼がスパイスを求めて上陸したケララ州です。
アテはありません。インドの農家に泊まるなんて可能なんだろうか...。
心配無用でした。たくさんヒットしました。いやはや、出るわ当たるわ。ってパチンコのようですが。ファームステイは欧米からのヴァカンス客に人気の「リゾート」だったのです。
問題はクリスマス休暇という時期でした。片っぱしからメールを送ります。あえなくフラレまくりました。心を奪われたのが、その名もズバリ「ヴァニラ・カウンティ(vanilla county)」です。ここしかない!勢い込んで問い合わせましたが、満室でした。やっぱり出遅れたか...。
宿の主ベイビーは親切にも友人の農園を紹介してくれました。「ハリサ・ファーム(Haritha farm's)」でした。緑の農園という意味だそうです。ウェブをのぞきます。料理教室も開かれているようです。楽しそう。さっそく申し込みました。
デリー発午前6時、その名も「スパイス・ジェット」に乗って、スパイス巡りの旅に出発です。なんて素敵!とはいえ格安航空会社、コーヒーもスナックも有料です。ローカル線ゆえムンバイ経由になって時間もかかりますが、ネーミングがあまりにもインドらしい。すべて許します...ってえらそうですが。
さすが南国、冬でも気温33度でした。まずは6人旅です。ココナッツのジャングルを船下りして1泊しました。コーチン市街へ行く4人と別れ、Y紙マリさんと2人で「ハリサ・ファーム」をめざします。
タクシーの手配だけでも一苦労でした。前夜にお願いしておいたのに...。ようやくやってきたドライバーは英語が通じません。農園主ジェイコブと電話でやりとりしてもらいました。よっしゃ、分かったというしぐさを見せています。ホンマカイナ。
タクシーは1時間後、小さな街に着きました。なにせ標識もろくにない田舎道です。どこにいるんだろう。さっぱり分かりません。運転手は降りろというしぐさです。
ジェイコブが迎えに来るのかな。でも、だれも現れません。あれ、出発するようです。先ほどまでの自信はどこへやら、道行く人に次々尋ね始めました。本当にたどり着けるのかな...。




